藤本けいすけの「日日是好日」
『茅ヶ崎市民ギャラリー条例改正案に反対しました!』~2023年第4回定例会報告~
現在茅ヶ崎市議会・令和5年(2023年)第4回定例会開会中ですが、ここでどうしても皆さんにお伝えしたい件があります。
今回議案として「茅ヶ崎市民ギャラリー条例の一部を改正する条例」案が付議され、12月15日(金)の本会議採決において、賛成18名、反対8名の賛成多数で可決されました。(私の所属会派=ちがさき立憲クラブの3名は反対)
同ギャラリーは創作室、展示室等の専用設備を有し、長年茅ヶ崎駅前ビルの中にある文化・芸術振興拠点として、多くの市民や市外からの利用者等に親しまれてきましたが、今回の条例改正は市の財政健全化及び公共施設マネジメント方針に則り、施設を閉鎖して新たに民間事業者に賃貸(テナント)利用させるというものです。(創作室及び事務室は廃止時期未定にて暫定的に残置)
この市の方針には、利用者や市民から反対や撤回を求める多くの意見が寄せられ、ギャラリー存続を求める市議会への陳情も全会一致で採択(陳情主旨に賛成)となった経緯がありますが、その後市は市民や利用者との意見交換等を重ねつつ、市民文化会館や市美術館等を代替施設として提案し、結局は条例改正を貫いてギャラリー廃止に向けて大きく駒を進めたのです。
確かに市の代替提案等については、利用者への配慮や代替施設の整備・改善等への努力を払ってはいますが、創作活動や作品鑑賞などへのきめ細かな対応面等で課題が残り(何と言っても茅ヶ崎駅前という地の利は代替できない)、利用者からはまだ十分な理解を得ているとは言い難い状況と言わざるを得ません。
以下15日の採決時に、我が会派が主張した反対意見を原文のまま掲載致しますが、皆さんは本件をどのようにお考えになるでしょうか?
≪ちがさき立憲クラブ(反対)意見≫
茅ヶ崎市民ギャラリーについては、今回創作室と事務室を除く施設を廃止する条例改正案です。
茅ヶ崎駅前という交通至便な場所に位置する市民ギャラリーは、市民のみならず市外の利用者も含め、各種創作活動や作品鑑賞などの拠点として長らく親しまれてきました。
持続可能な市政運営等を目的とした公共施設の利活用方針についてはその意義を理解しつつも、一方でこと文化・芸術に関する政策や事業にあっては、市民が営々と築いてきた歴史や風土等もしっかり踏まえ、50年、100年といった長期的な視点で進めなければならないと考えます。
市民ギャラリーの存続については、多くの利用者等から市への要望が寄せられ、市議会への陳情においても、所管する委員会にて全会一致で採択されました。
市としても、市民や利用者からの意見収集や他代替施設の検討・備等に尽力してきた点は認めるところですが、特に利用者からはまだ十分な理解と賛同を得られたとは言い難い状況であると認識しています。
また、本来は市民ギャラリー開設以降、市として施設の利用促進等を通じ、どのように文化・芸術の振興に努めてきたのか、或いは市民や利用者からどのような意見・要望を受けて改善に向けて取り組んできたのかという、より真摯な総括が先にあって、初めて今後の利活用策や代替策等を市民に提示し、理解を得ることができるのではないでしょうか。
以上のような現状認識と考え方から、創作室と一体としてその価値を有する市民ギャラリー展示室等の廃止を進める本条例改正案については、現時点で賛成の立場は取り得ません。
市民ギャラリーが入る「ネスパ茅ヶ崎ビル」(茅ヶ崎駅北口)↓
立憲民主党・茅ケ崎ブロック議員団 県政・市政報告会のご案内
下記の通り開催しますので奮ってご参加ください。
お申込み、お問い合わせは記載の平野みぎわ事務所または藤本けいすけ
事務所までお願い致します。
施設見学会報告
11月20日(月)、藤本恵祐後援会主催の施設見学会に参加しました。見学先は市内・赤羽根にある「茅ヶ崎バイオマス発電所」。
茅ヶ崎市を始めとする近隣各市町から収集した樹木の剪定枝をチップにし、それを燃料としてタービン発電し、電力会社に売電するという事業形態です。この「グリーンリサイクル」事業を㈱都実業さんと利休㈱さんがジョイントで実現。
座学による施設概要説明の後、約1時間程度の施設見学とQ&Aタイム。学び多き充実した見学会となり、参加者の皆さんにも大好評でした。
☆グリーンリサイクル事業の詳細はこちら↓
株式会社 都 実 業 ( http://www.miyako-jitsugyo.com/2-biz/biz4-1.html )
先進自治体視察報告
11月は"視察ラッシュ"でした。
茅ヶ崎市議会の場合は、4つの常任委員会(都市経済、文化教育、環境厚生、総務)及び所属会派による調査研究視察があり(所属会派視察は任意)、議会定例会や夏季休暇シーズン等を避けて毎年秋に実施されるケースが多くなっています。
視察では、全国自治体の先進的な取り組み事例で顕著な成果をあげているものについて調査研究すべく、対象となる自治体を訪問し、所管部門へのヒアリングや意見交換、或いは現地実査などを行います。以下日程順にその概要をご報告します。
■所属会派(ちがさき立憲クラブ)視察 ※詳細報告は別途市議会HPの会派政務活動費使途報告コーナーに掲載予定
1.埼玉県川口市(11月7日)・・・「資材置場設置規制条例」について
川口市では、2022年7月に市長のトップダウンで「資材置場設置規制条例」を制定しました。条例制定時には既に市内で約800ヵ所の資材置き場が存在し、環境保全や交通安全等の面で様々な問題が発生したため、500㎡を超える資材置場の新規設置については市長の許可制にしたものです。(条例制定後の新規許可申請は2件)
茅ヶ崎市でも、主に北部地域において多数の資材置場が設置されていますが、川口市同様に規制条例制定等を通じ、良好な生活環境や景観等の保持を図る必要があると考えます。
会派メンバーと市役所入口にて
2.愛知県豊明市(11月8日)・・・乗り合い送迎サービス「チョイソコ とよあけ」について
豊明市では、高齢者の外出機会をいかにして増やすかという福祉政策の観点から、気軽に利用できる乗り合い送迎サービス=「チョイソコ」を、民間企業とのタイアップにより導入し、利用する市民から高い評価を得ています。(乗車運賃は200円/回、市の負担経費は約600円/回)
茅ヶ崎市でも北部地域限定で「予約型乗合バス」を運行していますが、「チョイソコ」はタクシーやバス等の既存運送事業者と上手に棲み分けを行い、地元企業のスポンサー(応援団)を募るなどして市内全域をほぼ網羅している点が特徴です。
「予約型乗合バス」については、現状の運行エリアや体制(運行、車両管理等を民間バス会社に委託)等の検証・評価を行い、隣接自治体(藤沢市、寒川町)との共同事業化等を含め、今後のあり方について市民の皆さんと議論すべきタイミングと考えます。
「チョイソコ」の運行車両(豊明市役所前で)
試乗させて頂きました(車内には運行支援やキャッシュレス決済用端末などを搭載)
3.静岡県富士市(11月9日)・・・市役所の「お悔やみ窓口」と「子どもの権利条例」について
富士市では、亡くなられた市民の死亡届けなど一連の諸手続きを、ご遺族が一カ所の窓口で完了可能なワンストップサービス=「お悔やみ窓口」を開設し、市民に大変喜ばれています。多くの件数を処理するため事前予約制とはなっていますが、ご遺族のうち約半数が実際にご利用されています。
茅ヶ崎市でもご遺族に寄り添う行政サービスの一環として是非実現したいものです。
また、富士市がいち早く制定した「子どもの権利条例」については、全国の自治体で同様の動きがあり、茅ヶ崎市でも昨年度に市議会から市長に対し、条例制定を求める政策提言を行いました。
「子どもの権利ってナニ?」「子どもに権利を認めると大人の言うことを聞かなくなるのでは?」というご質問やご意見を頂くこともありますが、子どもへの虐待や育児放棄、性加害事件等の現状を見るにつけ、子どもにも大人と同様に様々な権利があることを認識し、弱い立場にある子どもたちの声なき声に耳を傾け、率先して守ってあげなければならないと考えます。(富士市でも条例制定過程で賛否両論を含む活発な議論が交わされています)
「子どもたちは社会と未来の宝もの」。条例制定により全市民がその理念を共有し、子どもたちの権利を守り、かつ育ちをしっかりと支える具体的な取り組みが急がれます。
市民に寄り添う「お悔やみ窓口」
■所属常任委員会(都市経済常任委員会)視察 ※詳細報告は別途市議会HPの都市経済常任委員会活動コーナーに掲載予定
1.青森県八戸市(11月13日)・・・「八戸ポータルミュージアム(愛称=はっち)」について
青森県八戸市では、郊外立地型店舗の増加に伴い、市内中心部が徐々に寂れて行くという課題に直面しました。そこで2011年に、新たな市民の交流と創造、賑わいの創出や観光と地域文化の振興を図り、市内中心部の活性化を目指して建設された5階建てビルディングが「はっち」です。
現在市直営で館の運営を行っていますが、単なる観光案内や市民の文化交流等に止まらず、起業を目指す市民等が廉価な賃料でテナント出店できる仕組み(3年限定)などもあり、本年4月には来館者が1,000万人を突破しています。
今期の都市経済常任委員会の政策提言テーマは「茅ヶ崎らしいツーリズムについて」ですが、市民や地元企業等との幅広な「協働」をベースにした「はっち」が持つマルチコンセプト(多様性)は、2025年に開業を控える道の駅「湘南ちがさき」をハブ(結節点)とする、今後の市内公共施設や観光スポットの活性化にも貴重なヒントを与えてくれます。
「はっち」の施設内・・・文化交流や地元産業のPRなどの場として活用
2.栃木県宇都宮市(11月14日)・・・「道の駅うつのみやロマンチック村」について
宇都宮市郊外に位置する「道の駅うつのみやロマンチック村」は、一般の道の駅と違って温泉スパやホテル、農園などを備えた広大な施設となっていて、「道の駅湘南ちがさき」とはスケールが異なりますが、両道の駅は同じ運営事業者が受託することから、開業後の運営手法や集客策、今後の事業展開などについて活発な意見交換を行いました。
「道の駅湘南ちがさき」は圏央道を降りて右手に伊豆・箱根、左手に江ノ島・鎌倉・湘南海岸を抱える絶好のロケーションに位置することから、市内観光に止まらず、湘南エリア観光のハブとしていかに機能させるかが大きな課題となります。
「やるからには必ず成功させ、絶対に赤字経営にはしない」。是非皆さまも「道の駅湘南ちがさき」にご注目頂き、その磨き上げにお力をお貸しください。
道の駅「うつのみやロマンチック村」にて意見交換
みどり保全の難しさを子どもたちから学んだ
本年4月に民法が改正され、隣接地(公有地や道路を含む)から自宅敷地等に越境する樹木の枝を、一定の条件下で樹木所有者に代わって敷地居住者等が伐採できるようになりました。(私の「活動レポートVol.16」参照)
この規定は、例えば公設の公園から隣接する民地等に伸びた樹木の枝にも同じく適用されますが、一般的には公園を管理する自治体等が、民地所有者等からの要望を受けて剪定や伐採を行うことになります。
写真の樹木は、先日そのような事情から茅ヶ崎市が伐採したもので、青々と茂っていた樹木があっけなく大きな切株になってしまいました。みどりの保全ももちろん大切ですが、隣接する家屋への樹木の倒壊や枝の接触、日照への影響等との比較考量で判断・対処すべき案件と考えます。
伐採の後、再び公園を訪ねてみると、ご覧の通り切株の上にブロック片が置いてあり、そこに書かれた文字を読んで「あっ」と心を打たれてしまいました!
きっといつも公園で遊んでいる子どもたちが置いたものかと思いますが、法律の規定云々はさておき、みどりを含む私たちの生活環境保全問題は、私たちが考える以上に奥が深く、市民一人ひとりが真摯に考えなければならないテーマであることを改めて痛感しました。
このブロックを置いた子どもたちの気持ちをしっかり汲んで、ここからは私たち大人の責任で様々な対策を考えなければなりません。