藤本けいすけの「日日是好日」
市議会第4回定例会報告(11/27~12/19)(その2)
第4回定例会での私の一般質問概要についてご紹介します。
今回は、「オーバードーズ対策」、「受動喫煙防止等対策」の2題について取り上げました。いずれも市民の健康に直結するテーマです。
1.【オーバードーズ対策】について
「オーバードーズ」は市販のかぜ薬等を意図的に過剰服用する行為を指し、精神的な不安感や生き辛さ等を抱えた若者(特に10代、20代女性)たちの間で広がり、今や大麻や覚せい剤などと同様に深刻な社会問題となっています。
「オーバードーズ」自体は違法ではなく、また外見上も判りにくいとから、家族であっても認知しずらい傾向にあると言われますが、リストカットを伴ったり、放置すれば薬物効果によるショック死や自死に繋がるケースも多く、市民の生命と財産を守るべき市の責務と対応策について質問することとしました。
「オーバードーズ」は、従来国が違法薬物対策でスローガンとして掲げてきた「ダメ、ゼッタイ」という視点では特に抑止が難しく、過剰服用に至る不安感や生き辛さ、或いは社会的孤立状態をどのようにして解消・緩和するかという抜本的、複合的な対応策が求められます。
ある調査では高校生の60人に一人が経験者との報告もあり、今回消防本部に対し「オーバードーズ」が原因と推定される救急搬送の状況を質したところ、令和4年が38人、5年が57人、6年は64人と年々増加傾向にあり(女性が約75%、特に10代、20代に多い)、入院加療を要するケースも目立ってきているという回答がありました。
市からは、保健所や教育委員会が薬剤師会やドラッグストア(DS)、学校等と連携し、市ホームページやDS店頭、授業等での啓発・予防活動や本人・家族への医療・福祉面でのケアーを一層強化して行くとの方針が示されましたが、私は今後もそれらの取り組みについて継続的にチェックを行い、市民の安心・安全な暮らしの実現に寄与したいと思います。
2.「受動喫煙防止等対策」について
茅ヶ崎市では「茅ヶ崎市民の美しく健康的な生活環境を守る条例」(愛称=きれいなちがさき条例)によって街なかでのタバコの吸い殻ポイ捨て等を規制(罰金2万円)していますが、私が把握する限り、特に駅周辺では相変わらず路上に多くの吸い殻が散乱し、規制の効果が的確に発揮されているとは到底思えません。
また、法律で規制はされていないものの、飲食店内での禁煙が広がったこともあり、公道に面した店外での喫煙や歩きたばこもよく見かけ、副流煙に悩む市民から何らかの規制をして欲しいとのご要望をたくさん頂いています。
私からは、(1)タバコの吸い殻ポイ捨て規制については、警察による摘発が必要な「罰金」ではなく(条例による摘発事例はゼロ)、警察の摘発を必要とせず、市が機動的に対処可能な「過料」(数千円)に変更することと、(2)お隣り藤沢市など県内の多くの自治体が実施しているように、駅周辺区域等での路上(歩行)喫煙を禁止する条例を制定してはどうかという二つの提言を行いました。
市からは、(1)については市独自で監視員等を配置する必要があることや夜間対応が困難なこと、(2)については、茅ヶ崎駅の北口、南口の2ヵ所に喫煙BOX(コーナー)を設置しており、条例による規制ではなく、当面はマナーアップを目的とした啓発活動に注力したいとの回答がありました。
私は特に駅周辺は「茅ヶ崎市の顔」であり、市民は元より市外からの来訪者にとっては街のイメージに直結する場所でもあることから、マナーアップの啓発活動に取り組みつつも、吸い殻のポイ捨てと路上喫煙ゼロを目指し、やはり条例による規制強化が必要(抑止効果に期待)と考えます。
今後も喫煙者の方々の「タバコを吸う権利」に配慮しつつも、マナーアップと規制強化の2軸で、市の取り組みを後押しして行きたいと考えます。
市議会第4回定例会報告(11/27~12/19)
早いもので今年もあと1週間となりました。以下本年締めくくりの第4回定例会トピックスについてご報告します。今定例会でも補正予算、条例改正、指定管理者選定、陳情など多くの議案を審査しましたが、注目の議案を厳選してお伝え致します。
【補正予算】(全件賛成)
(第8号)
・斎場施設管理運営経費(+10,186千円~市一般財源)
⇒火葬受け入れ枠拡大等に伴う費用。繁忙期である冬期期間において、「友引」の日も開場し、受け入れ件数を130最大130枠拡大。待機日数も最長5日間までに抑える方針。
(第9号)
・緑の保全事業費(+4,361千円~その他財源)
⇒市内南部の保存樹林(約3,400㎡)公有地化を目的に測量及び不動産鑑定を行う。将来は公園等として整備・活用を図る方針。
(第10号)
・道の駅整備推進事業費(+47,038千円~市一般財源)
⇒柳島しおさい公園敷地内(県有地)に85台収容可能な臨時駐車場を整備し、既存駐車場の混雑を解消する。(供用開始時期は検討中)
☆国道134号線への出場、合流時の安全確保策等を要望しました。
(第11号)
・物価高対応子育て応援手当(+800,000千円~国庫支出金)
⇒国の補正予算成立を受け、0歳~高校3年生までの子どもを養育している父母等に、子ども一人当たり2万円の手当を支給する。(2025年~2026年3月31日までに生まれた子どもも対象)
⇒原則児童手当支給口座へ自動的に振込み予定(詳細は別途市HP等で周知)
・物価高騰対応重点支援事業費(+1,778,860千円)
⇒国の補正予算成立を受け、物価高騰の影響を受ける市民及び市内事業者支援策として、全市民に一律6,000円分の商品券(市内限定利用可)を配布する。(詳細は別途市HP等で周知)
☆本議案は市議会定例会会期内ギリギリでの審議となりましたが、もしお米券配布という案だった場合は、米価上昇に繋がる懸念等の理由により反対予定でした。全市民を対象に配布するという公平性と市内中小事業者優先の券面構成案(市内中小事業者は最大6,000円分、大手事業者は3,000円分を想定)については評価するとともに、過去に実施した商品券発行事業の反省点等を活かし、迅速かつ正確な配布に務めるよう要望しました。
【条例改正】(全件賛成)
・茅ヶ崎市斎場条例の一部を改正する条例
⇒従来茅ヶ崎市民及び寒川町民は無料であった火葬室使用料を有料化(最大10,000円)し、他自治体在住者の使用料を増額(最大90,000円)する改正。受益者負担の考え方に基づき、将来にわたる施設維持費の確保等を目的に、県内他自治体の動向を踏まえて改正するもの。
☆市民の利用料が最大10,000円という設定であり、将来の施設老朽化等への対応に鑑み、止む無しと判断しました。
【陳情】(一部賛成)
・「今こそ選択的夫婦別姓制度の導入を求める意見書」採択に関する陳情
(陳情第33号)
⇒国(政府、国会)に対し、茅ヶ崎市議会より「選択的夫婦別姓制度」の早期導入を求める意見書提出を要望する陳情で、総務委員会において賛成多数(3対2)で採択、続く本会議においても意見書提出議案に賛成多数(17対8)で可決。
☆国民的に耳目を集めているテーマですが、もはや日本国憲法の平等原則や国内外の社会情勢等を踏まえれば、早急に民法を改正し制度導入に踏み切るべきとの立場から賛成しました。本会議の採決では内部で賛否が割れた会派も2会派あり、このような賛否結果となる議案は僅少です。
個人的には、肌感覚ながら今回の賛否結果(17対8)は、国民全体の賛否意向とほぼイコールではないか、と考えています。(全国他自治体からも制度導入を求める意見書が相次ぎ提出されています)
大学講義レポート
12月10日(水)、母校中央大学より招請を受け、総合政策学部にて講義を行って参りました。
午前中の市議会会議を終え、その足で電車にて多摩キャンパス(八王子市東中野)へ移動。卒業以来数回しか訪問していませんが、白亜のキャンパスに着くと、40数年前の思い出が次々と湧き出してきました。
講義のタイトルは「ローカルガバナンス(地方行政)の真髄」。主に総合政策学部を中心に、将来公務員を目指す学生を対象とした特殊講義ということで、大学卒業生の首長・議員を講師とした通年カリキュラムとのことです。
講義時間は質疑応答を入れて100分でしたが、私からは、茅ヶ崎市の紹介、近隣自治体とのデータ比較、自治体議会・議員の立ち位置、市政の課題と取り組み、在学生への激励メッセージなどなど、途中クイズや対話を交えながらお話ししました。
市政の主な取り組みについては、市民の関心が高い「道の駅」、「中学校給食」、「クラスター対策」や、過去に一般質問でも取り上げた「マンション適正管理」等を中心に紹介。学生の皆さんからも意見や感想を聞かせて頂くなど、自身にとっても大変有意義な時間となりました。
母校でこのような機会を持たせて頂くなんて夢にも思っておらず、在学中にもっと真剣に勉強しておけば良かった!と反省しきりです(笑)。
議員活動2期目となりますが、記憶に刻まれる記念すべき一日となりました。(同伴し講義模様の映像収録に協力してくれた妻に感謝です)
「立憲民主号外」(党本部版)のご紹介
国会(衆議院)では、無所属議員3人の与党会派入りで少数与党状態が解消されましたが、まさに「理念無き数合わせ政治」の典型例です。
昨今の政治的主張では「強さ」ばかりが強調されがちですが、どんな時代であっても「優しさ」=「共生」の思想が社会の根底に無ければならないと私は考えます。「優しさ」と「強さ」は表裏一体です。
里山コモンズ(共有財)感謝祭
11月23日(日)、市内下寺尾地区で里山保存活動に取り組む方々(NPO団体・里山コモンズ~現在法人認定申請中)主催の感謝祭にお邪魔しました。
元々は住宅近隣の不耕作農地が資材置場に転用されるとの情報を聞きつけた有志住民の方々が、まちのみどりと景観を守るために同地を買い取り、農地(市民ガーデン)として維持して行くこととなった場所です。
私も資材置場の規制に関する市独自の条例制定に向けた政策研究と提言を行っていますが、単に規制するだけでは意味が無く、後継者の居ない農地を農地として守って行く取り組みとセットでなければならないと考えています。
不耕作農地を買い取り、新規就農希望者や、本件のように元々農家でない方が転用手続き(農業委員会+県の許可が必要)を経て耕作地として維持して行くことは、手続き面や資金確保等の面で並大抵の努力では実現できませんが、新しい農地とみどりの保全モデルとして大いに注目に値することから、今後行政にも様々な連携・支援策の検討を提案して行きたいと思います。
(写真解説)
・敷地内にはミツバチ用のハウスや木の枝に吊るしたお手製のブランコ、鹿のオブジェ、貸出用の市民ガーデン区画などもあり、今後は奥側の樹林敷地内広場にツリーハウスを建てる計画などもあるそうです。
・感謝祭では、ガーデンで採れた野菜などを使った手料理もふるまわれ、美味しく頂きました。