藤本けいすけの「日日是好日」
基幹統計不正事件について考える
またまた国土交通省所管の基幹統計不正処理問題が発覚し、マスコミや国会を賑わせています。以前には厚生労働省所管の勤労統計不正問題で騒がれましたが、問題の本質は不正作業そのものではなく、次の観点からの原因究明と対策が必要と考えます。
①そもそも、経済や産業関連の各種統計が、右肩上がりの成長神話をベースにしていないか、②ICT化がこれほど進んでいる時代に、なぜ不正処理が可能な手作業のままなのか、という観点です。
①については、避けがたい人口減少や少子高齢化を前提にした場合、例えば最も多用されている「GDP」だけを国民の幸福度の指標にすべきではない、②については、ICTを駆使して統計対象者(企業や個人)が直接ネットから申告を行い、自治体や政府職員の集計作業を省くことが働き方改革やデータの信頼度向上に繋がるものと考えます。
国会やマスコミには、是非ともこのような前向きな論点も忘れずに、問題の本質を追求して欲しいし、各自治体で独自に集計している各種統計データについても同様の検証と対策を望みます。