藤本けいすけの「日日是好日」

2021年1月の記事一覧

市政相談と人生相談のはざまで

1月29日(金)、市担当課との政策に関する意見交換と市政相談をお受けするため市役所に向かいました。

市政相談は80歳を超えられた男性市民の方から。現在年金生活で独居だそうですが、市営住宅への入居申請で抽選に漏れ、止む無く市外で住居を探そうかどうか迷っているとのご相談でした。

今までの人生の歩みや現在のご親族との関係などをあれこれ伺いつつ、身体が若干ご不自由なこともあり、知人・友人が誰も居ない他市への転居は保留し、市内居住継続を模索するようアドバイスさせて頂きました。

コロナ禍などで生活困窮に陥る方や、伸び伸びとした暮らしを志向して茅ヶ崎市内に転入する方々の増加もあり、今後の市内の住宅事情について、自治体としてもしっかり目配せすることの必要性を痛感したご相談でした。

時代の流れを読んで汲む

1月28日(木)、午前中は広報広聴委員会に出席し、今春開催予定の「市議会意見交換会」の運営詳細について打合せを行いました。

議題の中にはアンケート用紙の内容も含まれましたが、「性別」記載をどうするかについても真摯な議論が交わされました。

まだあまり認知されていませんが、茅ヶ崎市では本年4月から性的マイノリティに配慮した「パートナーシップ宣言制度」がスタートします。この制度にも様々なご意見や課題がありますが、時代の流れを着実に汲み取った取り組みの第一歩として高く評価したいと思います。

午後は帰宅して昨日に引き続き「オンライン勉強会」に参加しました。

テーマは「DXと自治体システム」。DXは「デジタルトランスフォーメーション」の略語(造語)で、情報のデジタル化によって様々な社会やビジネスの構造変革を目指す取り組みを指します。

行政分野でも、コロナ禍によって市役所に行かなくても様々な手続きを済ませたり、定型的な業務をコンピュータ処理することで効率化や無人化したりする動きが出ていますが、結局は全てのサービスや業務に当てはめるのはまだまだ困難であり、かつ導入には高度の専門的な知見が必要とされるDX分野への投資について、市でどこまで適正かつ有効なジャッジとフォロー、そして議会としての適切なチェックができるかはまだ未知数です。

IT業界出身議員として、正面から取り組んでみたい分野の一つです。

☆茅ヶ崎市「パートナーシップ宣言制度」の詳細はこちら
(仮称)茅ヶ崎市パートナーシップ宣誓制度|茅ヶ崎市 (https://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/.../1041470.html)

首長(くびちょう)のコミュニケーション力とリーダーシップ

1月27日(水)、午前中は市政相談対応で外出。午後は自宅でオンライン研修を2本受講しました。

1本目はコロナ禍を踏まえた「国と地方財政の課題」について。

今、茅ヶ崎市でもコロナ禍による税収減や対策費用増などで厳しい財政運営を強いられ、来年度予算編成も困難を極めていますが、財政の専門家でもある研修講師の見解では、コロナ禍に起因する経済低迷は、最低でも今後3年は見ておかなければいけないとのこと。特に茅ヶ崎市のように製造業など企業の少ないベッドタウン的な自治体は回復が遅くなる傾向にあるそうです。

私の議員の任期はちょうど折り返しであと2年。とすると、私は「ウィズ・コロナ、アフターコロナ」に向けた政策評価力や提言力をもっと磨くべし、という命題に応えなくてはなりません。この点を肝に銘じて研鑽努力したいと思います。

2本目は、新型コロナ感染症が日本で察知されて以降、主要自治体はどのように動いたかというテーマでの勉強会でした。

その中で出色だったのが、熊谷俊人・千葉市長のプレゼンです。熊谷市長は私の前職と同じ会社(NTTグループ)の出身ですが、コロナ対策も民間企業でのビジネス経験などを活かし、全国に先駆けていち早く独自の取り組みを進めました。

プレゼンで印象的だったのは、「首長(自治体の長=知事、市町村長)のミッションは、専門家の見解を独自に咀嚼し、市民に判りやすく発信すること」というメッセージです。そのほか、数値やグラフなどを駆使したシンプルな説明資料には唸らされました。

非常時こそ、首長のコミュニケーション力とリーダーシップが試されると言って間違いなさそうです。

世代別政党があってもいい

1月26日(火)は地元小学校の登校見守り後、議会内打合せのため市役所に出向きました。

帰宅して事務作業しながらTVで通常国会中継を視聴。コロナ対策を中心に、政府と与野党で様々な質疑が交わされています。

しかし、どのような対策が本当にベストなのかはさておき、その大半が国の借金(国債)頼みとせざるを得ず、その負担は将来世代に広く重くのしかかって行くという事実に触れるやり取りはほとんどありません。

「将来世代にツケを廻さない政治を目指す」。国会や地方議会でもこのようなフレーズを良く耳にしますが、そのことは本来であれば誰かの代弁ではなく、「我々若い世代に過剰な負担を押し付けることは認められない」というフレーズで、若い世代の人々が直接自らの言葉で発してもらう必要もあると思っています。

その意味で、私は『世代別政党』(例:30代の党、40代の党)が立ち上がり、政治の世界にもどんどん代表者を送り込んで欲しいと願うものです。

単なる「政治家の若返り」ではなく、政治の世界にも世代間の垂直バランスを適切に取り込む動きが出てくることを切に期待し、応援したいと思います。

一本の電話

1月22日(金)、午前中はお隣り寒川町での地域廻り、午後は市政相談の一環で取り扱った除草作業の状況と道路損壊箇所の確認やフードバンク活動支援で市内を巡回しました。

その間に市民の方から一本の電話。

(Yさん)「市内でコロナ感染が拡がっていますが、感染者が多いエリアはどこですか?」

(私)「市は詳細を公表していませんが、それを知ってどうされるのですか?」

(Yさん)「そのエリアには近づかないようにしようかと思って・・・」

(私)「もしそのエリアがYさんのお住まいの地域だったらどうされますか?」

(Yさん)「・・・」

(私)「風評被害を起こしてはいけませんし、皆で正しく感染予防するのがベストだと思います」

Yさんのような不安が市民に広まりつつあるなか、政府は新型コロナ対策関連法の改正で、感染者が入院勧告に従わない場合は懲役や罰金といった刑罰を科す案を国会に提出しようとしています。

自分の意思で感染する方は誰もいませんし、不十分な予防策で感染してしまう方はいるかとは思いますが、そのような方でも場合によっては刑罰を科される可能性がある法令は、果たして憲法が定める人権規定に照らして合理性、妥当性があるでしょうか?

Yさんのような心理を踏まえ、私は良識の府である国会において全ての国会議員が、仮に自身や家族がそのような刑罰を科される立場に置かれた場合に是認できるかという観点で真摯に議論を交え、適切な結論が見いだされることを期待します。

厳しい選択

1月20日(水)、10時から開催された市議会全員協議会に出席しました。

福祉関連法制度の変更に伴う現場の運用体制拡充や公共施設の運営見直しなど4件の協議となりましたが、インパクトが大きかったのが、2022年(令和4年)3月に予定されていた茅ヶ崎「道の駅」が、コロナ禍による財政難等を踏まえ、2025年(令和7年)7月に開業延期とする方針が示されたことです。(今回で2回目の延期)

私も昨年9月の第3回定例会で、「道の駅」の準備状況について質問した際、市長からも「市内経済活性化の起爆剤として予定通り準備を進めたい」との答弁があったため驚くと同時に、今までご協力頂いた地元の皆さんや大きな期待を寄せられた市民の皆様に対し、申し訳ない気持ちで一杯となりました。

財政事情がそれだけ逼迫してきたとは言え、神奈川県と一体となり、ここまで投資を進めてきたからには、2025年の開業までその熱を冷まさないための仕掛けや候補地の暫定活用、コロナ禍による人々の生活様式の変化を踏まえたリ・マーケティングを実践することが必要と考えます。

午後は事務所にて市政相談。地元県議と一緒にまちづくりやゴミ処理問題など、様々なテーマで意見を交わしました。はやり、県も市と同じく財政難に喘いでおり、県・市連携して重複やムダの無い効率的な政策・事業を進める必要性を痛感しました。

夜は地元地域団体の会合へ。先日発生した県立里山公園内施設の火災で、団体が管理するお祭り用品等の備品類が焼失してしまい、コロナ禍で人が集まる園内イベントも開催が困難なことから、当面の間は活動休止に。
本当に残念至極です。ファンドを立ち上げて用具類を揃えるなどのアイデアもぶつけてみたいと思います。

コンパクトシティについて考える

1月18日(月)、市内に湘南キャンパスを構える文教大学の学生さんたちから、様々なテーマで政策提言を受ける発表会に参加しました。

例年議事堂で対面形式にて開催されてきましたが、今年はコロナ対策でオンライン形式に。社会教育、ゴミ問題、道の駅などについて、大変貴重な提言を頂きました。これからの市政に活かせるよう参考にしたいと思います。

私はこの発表会に臨む前段として、富山市が強力に推進する「コンパクトシティ」に関する書籍を読んでみました。
富山市は市長のリーダーシップのもと、回避困難な人口減少トレンドを“よりマイルド“なものにすべく、低床式鉄道(LRT)を基礎インフラとしたコンパクトシティ作りを、公民連携によって実現しています。

その構想が大変ユニークなので少しだけご紹介しておきますと、「水、人、データの流れ」を活用して新しい時代の富山市を創る、というものです。

「水」は昔から取り組んできた「神通川」の治水、「人」は「LRT」による新たな人の移動、そして「データ」は市内に張り巡らした「LoWaWAN」(IoTセンサーネットワーク)で収集される様々な情報を指します。
そして富山の「置き薬」から想像される「治療」を「未病」に進化させるヘルスケアも視野に入れた取り組みも模索するものです。

さて、私たちの茅ヶ崎も元々総面積約36㎢(藤沢市、平塚市の概ね半分)のコンパクトなまち。富山市の取り組みをヒントに、改めて魅力あるコンパクトシティづくりについて考えてみる価値がありそうです。

公と共のはざまで

1月13日(水)未明、地元の神奈川県立里山公園(茅ヶ崎市芹沢)内施設で火災が発生してから4日が経過。まだ被害額、火災原因ともに調査中の段階ですが、今回延焼した倉庫には、公園関連の様々なボランティア活動を行ってきた団体の大切な用具類が保管されていました。市民や子供たちのための各種イベント時などで活用していたものだけに、残念でなりません。

好意と奉仕の精神で続けられてきた市民活動(共)に対し、このような場合の自治体(公)支援はいかにあるべきか、団体の一員として公と共のあるべき関係も含め模索しつつ、復旧・再整備に向けて迅速に取り組みたいと思います。

☆里山公園ホームページ
県立茅ケ崎里山公園内の公園施設の火災発生について - 神奈川県ホームページ (https://www.pref.kanagawa.jp/docs/tu5/prs/r3339313.html)

行政の情報伝達をどうしたらよいか

1月15日(金)、1都3県における緊急事態宣言から1週間が経過しました。今回最も経済的に影響を受けるのは、時短営業要請を受けた飲食店の皆さんです。

市内外の経営者の皆さんから多くのご質問やご相談を頂いており、電話やメール、或いは直接お店を訪問してご説明したりしています。(茅ヶ崎市の場合は、独自に1日1万円の協力金を支給する施策を発表)

県や市のホームページを見れば協力金の概略はわかるものの、細かな点は電話で確認が必要なケースもあり、また実際にはパソコンやスマホ操作が苦手な経営者の方も多く存在したりと、広報紙が届くまでは国や自治体からの情報発信がストレートに届きにくいのも事実です。

それでなくとも、普段から行政の発信情報は関心を持たれにくいという課題もあります。

国に「デジタル庁」が、そして全国自治体にもデジタル化推進部門が相次ぎ設置されようとしていますが、いまだ電話やFAXが世の中から無くならない現状などを参考に、デジタル媒体(HP、SNS等)とアナログ媒体(広報紙、公共掲示板、広報車等)のベストで抜け漏れの無いメディアミックス戦略を、行政として早急に構築する必要があります。(災害対策しかり)

その際忘れてならないことは、「情報の受け手である市民のニーズを正しく汲み取る」ということです。技術オリエンテッドな発想や一方通行的なスタンスで進めることのないよう、私も研究を重ねつつ市に提言を行って行きたいと思います。

自治体という枠を超えて

1月14日(木)、湘南地方は穏やかな冬晴れの一日となりました。

朝から市民相談に電話やメールで対応しつつ、来週20日に開催される市議会「全員協議会」(全議員が集合し、市と様々な案件について協議したり報告を受ける会議体で、必要の都度開催)資料の確認を行いました。

夕刻には、立憲民主党所属の近隣市県議・市議とのオンライン定期連絡会に参加。近隣市の行政・議会の情勢を知ることは、自治体の広域事業連携が進むなか大変重要ですが、意外と情報交換の機会が少ないのが実情です。

その意味では、オンラインで手軽に交流できるようになったという点は、コロナ禍の副産物とも言えるかも知れません。今後は各議会での一般質問テーマの共有や、分野別政策勉強会などもどんどんやろうということになりました。

我々自治体議員にも「新しい行動様式」が広まっています。