藤本けいすけの「日日是好日」

藤本けいすけの「日日是好日」

首長(くびちょう)のコミュニケーション力とリーダーシップ

1月27日(水)、午前中は市政相談対応で外出。午後は自宅でオンライン研修を2本受講しました。

1本目はコロナ禍を踏まえた「国と地方財政の課題」について。

今、茅ヶ崎市でもコロナ禍による税収減や対策費用増などで厳しい財政運営を強いられ、来年度予算編成も困難を極めていますが、財政の専門家でもある研修講師の見解では、コロナ禍に起因する経済低迷は、最低でも今後3年は見ておかなければいけないとのこと。特に茅ヶ崎市のように製造業など企業の少ないベッドタウン的な自治体は回復が遅くなる傾向にあるそうです。

私の議員の任期はちょうど折り返しであと2年。とすると、私は「ウィズ・コロナ、アフターコロナ」に向けた政策評価力や提言力をもっと磨くべし、という命題に応えなくてはなりません。この点を肝に銘じて研鑽努力したいと思います。

2本目は、新型コロナ感染症が日本で察知されて以降、主要自治体はどのように動いたかというテーマでの勉強会でした。

その中で出色だったのが、熊谷俊人・千葉市長のプレゼンです。熊谷市長は私の前職と同じ会社(NTTグループ)の出身ですが、コロナ対策も民間企業でのビジネス経験などを活かし、全国に先駆けていち早く独自の取り組みを進めました。

プレゼンで印象的だったのは、「首長(自治体の長=知事、市町村長)のミッションは、専門家の見解を独自に咀嚼し、市民に判りやすく発信すること」というメッセージです。そのほか、数値やグラフなどを駆使したシンプルな説明資料には唸らされました。

非常時こそ、首長のコミュニケーション力とリーダーシップが試されると言って間違いなさそうです。

世代別政党があってもいい

1月26日(火)は地元小学校の登校見守り後、議会内打合せのため市役所に出向きました。

帰宅して事務作業しながらTVで通常国会中継を視聴。コロナ対策を中心に、政府と与野党で様々な質疑が交わされています。

しかし、どのような対策が本当にベストなのかはさておき、その大半が国の借金(国債)頼みとせざるを得ず、その負担は将来世代に広く重くのしかかって行くという事実に触れるやり取りはほとんどありません。

「将来世代にツケを廻さない政治を目指す」。国会や地方議会でもこのようなフレーズを良く耳にしますが、そのことは本来であれば誰かの代弁ではなく、「我々若い世代に過剰な負担を押し付けることは認められない」というフレーズで、若い世代の人々が直接自らの言葉で発してもらう必要もあると思っています。

その意味で、私は『世代別政党』(例:30代の党、40代の党)が立ち上がり、政治の世界にもどんどん代表者を送り込んで欲しいと願うものです。

単なる「政治家の若返り」ではなく、政治の世界にも世代間の垂直バランスを適切に取り込む動きが出てくることを切に期待し、応援したいと思います。

一本の電話

1月22日(金)、午前中はお隣り寒川町での地域廻り、午後は市政相談の一環で取り扱った除草作業の状況と道路損壊箇所の確認やフードバンク活動支援で市内を巡回しました。

その間に市民の方から一本の電話。

(Yさん)「市内でコロナ感染が拡がっていますが、感染者が多いエリアはどこですか?」

(私)「市は詳細を公表していませんが、それを知ってどうされるのですか?」

(Yさん)「そのエリアには近づかないようにしようかと思って・・・」

(私)「もしそのエリアがYさんのお住まいの地域だったらどうされますか?」

(Yさん)「・・・」

(私)「風評被害を起こしてはいけませんし、皆で正しく感染予防するのがベストだと思います」

Yさんのような不安が市民に広まりつつあるなか、政府は新型コロナ対策関連法の改正で、感染者が入院勧告に従わない場合は懲役や罰金といった刑罰を科す案を国会に提出しようとしています。

自分の意思で感染する方は誰もいませんし、不十分な予防策で感染してしまう方はいるかとは思いますが、そのような方でも場合によっては刑罰を科される可能性がある法令は、果たして憲法が定める人権規定に照らして合理性、妥当性があるでしょうか?

Yさんのような心理を踏まえ、私は良識の府である国会において全ての国会議員が、仮に自身や家族がそのような刑罰を科される立場に置かれた場合に是認できるかという観点で真摯に議論を交え、適切な結論が見いだされることを期待します。

厳しい選択

1月20日(水)、10時から開催された市議会全員協議会に出席しました。

福祉関連法制度の変更に伴う現場の運用体制拡充や公共施設の運営見直しなど4件の協議となりましたが、インパクトが大きかったのが、2022年(令和4年)3月に予定されていた茅ヶ崎「道の駅」が、コロナ禍による財政難等を踏まえ、2025年(令和7年)7月に開業延期とする方針が示されたことです。(今回で2回目の延期)

私も昨年9月の第3回定例会で、「道の駅」の準備状況について質問した際、市長からも「市内経済活性化の起爆剤として予定通り準備を進めたい」との答弁があったため驚くと同時に、今までご協力頂いた地元の皆さんや大きな期待を寄せられた市民の皆様に対し、申し訳ない気持ちで一杯となりました。

財政事情がそれだけ逼迫してきたとは言え、神奈川県と一体となり、ここまで投資を進めてきたからには、2025年の開業までその熱を冷まさないための仕掛けや候補地の暫定活用、コロナ禍による人々の生活様式の変化を踏まえたリ・マーケティングを実践することが必要と考えます。

午後は事務所にて市政相談。地元県議と一緒にまちづくりやゴミ処理問題など、様々なテーマで意見を交わしました。はやり、県も市と同じく財政難に喘いでおり、県・市連携して重複やムダの無い効率的な政策・事業を進める必要性を痛感しました。

夜は地元地域団体の会合へ。先日発生した県立里山公園内施設の火災で、団体が管理するお祭り用品等の備品類が焼失してしまい、コロナ禍で人が集まる園内イベントも開催が困難なことから、当面の間は活動休止に。
本当に残念至極です。ファンドを立ち上げて用具類を揃えるなどのアイデアもぶつけてみたいと思います。

コンパクトシティについて考える

1月18日(月)、市内に湘南キャンパスを構える文教大学の学生さんたちから、様々なテーマで政策提言を受ける発表会に参加しました。

例年議事堂で対面形式にて開催されてきましたが、今年はコロナ対策でオンライン形式に。社会教育、ゴミ問題、道の駅などについて、大変貴重な提言を頂きました。これからの市政に活かせるよう参考にしたいと思います。

私はこの発表会に臨む前段として、富山市が強力に推進する「コンパクトシティ」に関する書籍を読んでみました。
富山市は市長のリーダーシップのもと、回避困難な人口減少トレンドを“よりマイルド“なものにすべく、低床式鉄道(LRT)を基礎インフラとしたコンパクトシティ作りを、公民連携によって実現しています。

その構想が大変ユニークなので少しだけご紹介しておきますと、「水、人、データの流れ」を活用して新しい時代の富山市を創る、というものです。

「水」は昔から取り組んできた「神通川」の治水、「人」は「LRT」による新たな人の移動、そして「データ」は市内に張り巡らした「LoWaWAN」(IoTセンサーネットワーク)で収集される様々な情報を指します。
そして富山の「置き薬」から想像される「治療」を「未病」に進化させるヘルスケアも視野に入れた取り組みも模索するものです。

さて、私たちの茅ヶ崎も元々総面積約36㎢(藤沢市、平塚市の概ね半分)のコンパクトなまち。富山市の取り組みをヒントに、改めて魅力あるコンパクトシティづくりについて考えてみる価値がありそうです。