藤本けいすけの「日日是好日」

2021年9月の記事一覧

2021年・茅ヶ崎市議会第3回定例会を振り返る

9月29日(水)、第3回定例会が終了しました。

今回は2020年度の決算認定や新型コロナウィルス関連補正予算などの議案審査がメインでしたが、個人的には「一般質問」に一番力を入れました。メインテーマは、「火災等で被災した市民に寄り添う行政サービスの提供について」。そのテーマ選定理由や経緯などについて少し詳しく報告させて頂きます。

本年6月初旬の夜半に近隣民家が火災で全焼し、隣家にも類焼するという出来事がありました。翌日にはなりましたがお見舞いに伺い、被災されたご本人と現場で対話。聞けば世帯主の夫は煙を吸って病院に入院、現金はもちろん車やバイクなどの家財全てを失い、ご本人も額に火傷を負っておられました。

住まいを失い、伴侶の容態も悪化する状況で、火災の後始末や隣家への見舞い、保険請求などなど、生活再建に向けて気の遠くなるような膨大な作業を一人こなさなければならない状況に陥ってしまわれたのです。

早速一緒に市役所に出向き、市営住宅への緊急入居などについて相談しましたが、空き室が無い等の事情から断念。仕方なく個人的な伝手を辿り、ようやく家電製品の揃った民間アパートを見つけ仮住まいとして頂きました。

被災者が緊急避難的に公営住宅に入居することの難しさを知って愕然としましたが、もっと義憤に駆られたことは、市役所への様々な申請手続きについて、通常時と同様に被災した市民が関係窓口を廻らなくてはならないという現状です。

火災で負傷した市民が、膨大な資料を抱えて市役所内をぐるぐる廻るのです。そんな非人道的なことを市民のために存在する市役所が看過していて良いはずかありません!

今回の一件で、私は地元市民から涙ながらにこう訴えられました。

「火事で焼け出された市民に対し、市役所や市議会は一体何をしてくれるんですか?市役所や議員の動きが全く見えない。これでは、今後の大規模災害発生などを考えたとき、市民は安心して茅ヶ崎市に住むことなんかできません」

私は脳天をハンマーで叩かれたようなショックを受けました。一議員としてできることは、被災された市民にまずは寄り添い、生活再建に向けたできる限りの支援をさせて頂くことと、市の対処の在り方を改善することだと悟り、今回の一般質問に至った訳です。

私からの様々な意見や提言に対する市の大まかな回答(答弁)主旨は次の通りです。
① 被災した市民には、今後も可能な限り市営住宅の提供に努めると共に、市の公式ホームページ等でも積極的な周知を行い、併せて民間アパート等を紹介する既存制度が活用できないか議論する。
② 被災した市民の生活再建に向けた庁内手続きについては、被災した市民が関係窓口を廻るのではなく、職員側が個室等で順番に被災者と面会し、「ワンストップ」で速やかに事務処理を進めるよう至急調整する。

詳しくは市議会ホームページの映像記録を是非ご覧ください。

(質問2番手)⇒ 動画管理システム|管理者ページ (http://fast01.hotstreaming.info/chigasaki-city/78211110/contents/play.php?fileid=movie08)

なんでもかんでもオンラインの時代

コロナ禍で、最近オンライン会議やセミナーが流行っています。

もちろん、私も仕事や空手関係の打合せ、研修などで大いに活用させて頂いてますが、最近ふと思うのは「質」の低下です。

「質」の低下には二面あり、一つは会議やセミナーの「主催者側」の問題。資料の準備不足や会議システムの操作に習熟しないまま開催し、結果的にほとんど中身のない内容だったり、参加者に迷惑をかけたり、時間をだらだら延長・浪費したり・・・。そのうち無料セミナーと称して後で不当な費用を請求する詐欺まがいの輩も出てくるのではないかと懸念します。

二つ目は「参加者側」の問題。定例の会議にも関わらず、毎回必ず遅れて参加したり勝手に退出したり、さらには途中で一方的に割込み発言をしたり・・・。そもそもリアル会議に出たことがあるのか疑わしいような方も時折り見かけます。

ネット社会は便利な反面、「誰でも、いつでも、どこででも」という手軽さ、気軽さがかえってアダになる場合もあるということかも知れません。

コロナ禍による新しい生活様式も、徐々に洗練されて行くことを期待します。

働く高齢者

総務省が敬老の日に合わせ、最新の国勢調査をベースにした高齢者の人口推計を公表しました。65歳以上の人口が全人口に占める割合(高齢化率)は29.1%の3,640万人で過去最高を更新、同じく就業率は25.1%となっています。

この高齢化率は世界最高水準とされ、今後さらに加速することが見込まれていますが、私はその背景や予測よりもむしろ「高齢者」の定義自体に関心があります。ものごとは定義によっていかようにも評価や見方が変わってくる場合があります。

現在一般的には65歳以上を「高齢者」と定義付けていますが、一体誰が決めたのでしょうか?それはコロナワクチンなどで最近よく耳にする機会が増えたWHO(世界保健機関)なのです。

しかし、今年10月に60歳・還暦を迎える私自身の問題に置き換えてみると、体力的にも気力的にもあと5年で「高齢者」の仲間入りと言われても、どうもピンときませんし(確かに顔は応分に老けましたが・・・)、多くの方が似たような違和感を持たれるのではないでしょうか?ましてや「人生100年時代」と言われているのにです。

仮に「高齢者」を70歳以上に再定義したらどうなるか? 社会保障制度や雇用問題などに大きく関わってきますので慎重な議論が必要ですが、きっと色んな現実ギャップや矛盾、課題が見えてくるような気がします。

皆さまも是非一度、「高齢者」とは何かについて考えてみて頂ければと思います。

☆高齢者問題に関する参考情報
高齢者の定義再検討と新しい高齢者像──日本老年医学会の取り組み | 健康長寿ネット (https://www.tyojyu.or.jp/net/topics/tokushu/koreisha-teigi-saikento/koureisya-teigi-nihonrounengakkai.html)

子どもたちのコミュニケーションを考える

9月17日の報道で、東京都町田市の小学校6年生女子児童の自殺は同級生のいじめが原因であり、学校で全児童に配布された端末(GIGAスクール構想端末)が悪用された可能性が指摘されています。いわゆる「チャット(おしゃべり投稿)」機能で、自殺した児童の悪口が書き込まれていたのではないか、というものです。

この記事では、識者や関係者から「ID・パスワードの管理」問題や、端末での「チャット」や「メール」機能の利用可否などが指摘されています。しかし、新しいサービスには必ず「メリット・デメリット」「陰と陽」の要素があり、全ての性能・効用が人々にとってプラスとは限らないことは、既に皆さまも経験済みだと思います。

私はこの問題をもう少し広く捉え、「子どもたちのコミュニケーションの在り方」の本質が問われているものと認識しています。

子たちも学校以外に家庭や地域社会のなかで成長するわけですが、学校以外での子どもたち同士や大人とのコミュニケーションの機会や取り方も大変重要なはずです。

家庭や地域社会において、果たして我々大人は、普段から子どもたちと良好なコミュニケーションを取る努力をしているでしょうか?積極的に子どもたちの声に耳を傾けているでしょうか?

今回の記事を読んで、そのような大人の努力と姿勢も強く問われているような気がしてなりません。

茅ヶ崎へのお試し移住サービス

現在茅ヶ崎市は密かな移住ブームに沸いています。首都圏にあっても人口減少トレンドに悩む自治体が多いなか、都心から電車で1時間、「都会でも田舎でもない」というほど良い立地や、海・山の自然に恵まれたコンパクトな地勢、そして何よりもゆったりのんびりした街の雰囲気が人気の秘密のようです。

コロナ禍でライフスタイルを見直したいというニーズもその後押しをしていることは間違いありません。

そんななか、私の20年来の友人が、市内に所有する空き家をリフォームし、茅ヶ崎に転居したいという方に、最長5年間のお試し移住の機会を提供するという事業を立ち上げました。

そのお試し期間に茅ヶ崎ライフを満喫頂き、じっくりと最終的な移転先物件を探して頂くというビジネスコンセプトで、茅ヶ崎ではトレンドの「ペット同居」ももちろんOKだそうです。

また、今回の物件は海岸のすぐ近くに位置していますが、敷地内4台分の駐車場のうち1台分のスペースを、友人(IT企業経営者でもあります)自ら作った「誰でもパーク」というスマホ用アプリで、近隣住民やサーファーなどにデイリーレンタルするという付加サービスも提供するんだそうです。

茅ヶ崎には、少し手をかければ即入居可能な空き家が多く眠っているとされますが、現地取材で出会った不動産屋さんからは、「物件が無いため、殺到する移住希望者からの引き合いにお
断りし続けている毎日」と聞き、何とももったいないないな~と痛感した次第です。

空き家の利活用とお試し移住。都市経済常任委員会に所属する市議会議員として、大きなヒントを頂きました。(写真は東海岸南にあるリフォーム物件の内装)