藤本けいすけの「日日是好日」

2021年3月の記事一覧

2021年・第1回定例会を終えて

3月23日(火)、茅ヶ崎市議会定例会が閉会となりました。

今回の定例会では、今までの公共施設整備やその維持にかかる経費の積み上げ、さらにはコロナ禍による税収減や感染症対策費用の増大などが重なって、かつてない厳しい財政状況のもと、市民の暮らしと命を守るための次年度予算案をどのように評価するのかが最大のポイントでした。

私が所属する会派「市民自治の会」では、市が民有地の買収を巡って売主である市民に損害賠償請求の訴訟を提起する議案には反対しましたが、様々な質疑を経て結果的には次年度予算案を含む全ての議案について賛成しました(会派中の一議員は予算案及び複数議案に反対)。

最終日の議案採決前に、各会派代表者が議案の賛否に関する態度表明(「討論」と呼びます)を行いますが、今回は私にて以下の事項について討論しました。
① 会計年度任用職員の処遇や職場環境等の向上
② 地域コミュニティに対する補助金の在り方是正
③ スピード感ある積極的な企業誘致施策の実行
④ 市民の自主的・自発的学習活動へのフォローアップ
⑤ 市立病院経営形態見直しにおける民意の積極的な反映
⑥ 公共施設の指定管理における諸課題の解決
⑦ 新型コロナワクチン接種に関する十分かつタイムリーな情報提供

定例会は閉会となりましたが、今後は可決した予算や条例の執行を議会として厳しくチェックし、必要な是正を求めて行く責任が発生します。気を引き締めて日々の活動に繋げて行きたいと思います。(次回議員活動レポートVol.8は5月1日発行予定です)

☆最終日の討論模様はこちら
動画管理システム|管理者ページ (http://fast01.hotstreaming.info/chigasaki-city/78211110/contents/play.php?fileid=movie02)

法令とモラルのはざまで

先日、ご自宅敷地に隣接する民間駐車場についてのご相談を受けました。

内容は、「入口に“前向き駐車”と注意書きが掲示してあるのに守らない利用者がいて、排気ガスが自宅壁面に掛かって困っている。市から管理会社に注意して欲しい」というものです。

確かに排気ガスだけでなく、停め方によっては排気音やライトも隣家にとって迷惑となるケースもあり、ルールを守らない利用者の存在は困ったものです。

駐車場の関連法令としては「駐車場法」や「茅ヶ崎市のまちづくりにおける手続き及び基準に関する条例」などがありますが、いずれも駐車場の作りや設置者の一般的な管理義務について規定してはいるものの、いわゆる「前向き駐車」または「後ろ向き駐車」などの細かいルールをどうするかまでは決められておらず、結局は管理者の自主的な啓発指導や利用者のモラルに頼るしかないのが現実です。

また、何でもかんでも法令で規制することは、かえって日常生活や経済活動を窮屈にし、逆にモラル崩壊などを助長してしまう可能性もあります。

振り返れば、2年間でお受けした市民相談のうち、ざっくりですが3分の1くらいが、今回のような「法令とモラルのはざま」にある、いわゆる「民民事案」(基本的には市民同士の話し合いで解決すべき事案)となっています。

市民の皆さんからのご相談は多種多様。ベストな解決のお手伝いができるよう、これからも行政法や民法、市条例などの勉強を重ねてゆきたいと思います。

☆茅ヶ崎市が定める条例や規則について
茅ヶ崎市例規集|茅ヶ崎市 (https://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/jyorei/1009726.html)

医療制度について考える

3月20日(金)、市民の方から後期高齢者医療制度のうち、今見直しで話題になっている個人負担割合の適否についてご相談がありました。

現状では『市町村民税』の課税所得に応じて1割負担または3割負担となっていますが(一部例外規定あり)、課税所得を同世帯の夫婦合算で算定するのか、それともどちらか一方で算定するのかなど、詳しくパンフレットや資料を読み込まないと判りにくい部分があったりと、結構市役所にも問い合わせや照会が寄せられているようです。

2025年には全ての「団塊世代」が75歳以上となり、後期高齢者医療制度も飽和点を迎えますが、市役所への来訪やデジタル情報へのアクセス機会の有無なども人によって千差万別であり、よりわかりやすく丁寧な周知手法が必要だと痛感しました。

☆茅ヶ崎市後期高齢者医療制度の概要
後期高齢者医療制度について|茅ヶ崎市 (https://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/otoshiyori/1004155/1004251.html)

インクルーシブってナニ??

3月18日(木)、市議会全議員説明会、担当課打合せに引き続き、所属会派「市民自治の会」で「インクルーシブ公園」について勉強会を開催しました。

「インクルーシブ」とは「仲間はずれにしない」「みんなで一緒に」という意味で概ね良いかと思いますが、最近では「インクルーシブ教育」など日常生活の様々な分野で使われる言葉になりました。

講師を担当頂いた事業者さまから、全国の「インクルーシブ公園」や遊具の動向などについてご紹介頂きましたが、最も印象に残ったことは、公園や遊具が障害の有無などを超えて、全ての利用者が楽しみかつそれぞれに必要な成長の機会を提供できるものでなければならないという提言でした。

安全面に過度に配慮しすぎ、「あれはしてはいけない」「これはしてはいけない」看板が乱立する公園が目立ちますが、それではそもそも公園を開設した意味がないということになりかねません。思えば子供の頃、障がいのある子も無い子も、年齢や体格などに関係なく山の中や公園の木によじ登って一緒に遊んでいました。あれこそが「インクルーシブ」そのものだったのではないでしょうか。

都会化された街並みと社会だからこそ、改めて「インクルーシブ」の重要性が提唱されるようになったのではないかと思います。

茅ヶ崎市は湘南エリアでも市民一人当たりの公園面積が少ない自治体となっていますが、面積や数という「量」だけでなく、「インクルーシブ」の要素をきちんと盛り込んだ「質」の向上に着眼し、子供から大人まで楽しく憩える場としての公園を増やして行きたいものです。

☆茅ヶ崎市の公園マップ
ちがさき公園マップ|茅ヶ崎市 (https://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/kouen/1006491/1006499.html)

ゴミの問題などなど

3月17日(水)、市議会定例会では環境厚生常任委員会と総務委員会が開催され、それぞれ自宅からオンライン、市役所にて傍聴しました。(写真はオンライン中継模様)

環境厚生委員会では、ゴミの減量化、回収処理の一部有料化に関する条例改正も審議され、不法投棄ゴミの投棄者を特定するための措置や料金の妥当性を巡って突っ込んだ質疑が交わされ、一部反対の意見表明もなされました。(賛成多数)

ゴミの問題は14日の記事でも取り上げましたが、日常の市民生活に関する身近なテーマながら、単純に収集の方法論やコストの妥当性、マナーの問題に止めることなく、資源循環型社会の構築や健全な地域コミュニティの形成などの観点も含めた議論が必要と考えます。

総務常任委員会では、市内に設置されたコミュニティセンターの「指定管理者」選定議案も審議され、市の認定コミュニティである「まちぢから協議会」などに委ねることについて、任意団体である協議会等を選定することの妥当性や、災害発生時の管理責任等が不明確であるとの指摘があり、一部反対の意見表明もなされました。(賛成多数)

「指定管理者」制度は、公共施設の管理運営に関する「公民連携」手法の一つとして全国の自治体で広く採用されているものですが、私自身も大型台風や地震と言った大規模災害時などに、任意団体である指定管理者による的確な判断対処が可能か、或いは万一人的被害が発生した場合に、その責任の所在は自治体、指定管理者のいずれが最終的に負うのかなどについて整理すべき課題が多いと考え、今後詳しく検証、研究を進める方針です。(昨今の台風災害などでの対応について、自治体と指定管理者が交わす協定書の規定が不明確という問題がクローズアップされています)

☆まちぢから協議会について
茅ヶ崎市まちぢから協議会連絡会 (https://c-machi.sakura.ne.jp/wp/)