藤本けいすけの「日日是好日」

学びのカタチも様々に

7月29日(火)、所属政党の政策委員会メンバー(県内市議・町議有志)で鎌倉市が本年4月にスタートさせた由比ヶ浜中学校(不登校特例校)を訪問しました。

江ノ電・由比ガ浜駅近くに約5億円をかけて建てられた校舎には、現在約30名の生徒が在籍(定員30名程度)し、静謐な環境で新しい学びの日々を送っています。

鎌倉市でも全国的な傾向と同じく不登校児童・生徒数が増加しており、2022年度には300名を超えたことなどから、熟慮を重ね御成中学校の分校として設立されました。

同校では「社会的自立」と「自己実現」を基本理念に据え、「学校が子どもに合わせる」、「自分たちで学びの場をつくりあげる」、「自分のペースで学ぶ」、「教科の枠を超えて体験的・探求的に学ぶ」、「自分たちで学びとる」、「学び方を学ぶ」、「異学年・少人数・個別などの多様なスタイルで学ぶ」、「海や森、まちなど鎌倉全体で様々な人々と関りながら学ぶ」などの目標を掲げていますが、これは明治5年の学制制定以来連綿と続けられてきた日本の学校教育スタイルのほぼ真逆を行く内容となっています。

このような不登校特例校やフリースクールの存在には賛否両論の意見があることは事実ですが、どんな形にせよ我々大人は次代を担う子どもたちに「学びと成長の機会」を保障する責任と義務があることは間違いありません。

訪問時に受けた学校概要説明の中で、小学校からずっと不登校だった生徒たちが、由比ガ浜中学校での日々を活き活きと語る動画を観たときには、思わず涙ぐんでしまいました。

不登校の理由は様々。であれば学びのスタイルも様々であって良いのではないでしょうか。授業を「学びの場」と呼び、成績表を「学びの足跡」と呼ぶ。単に言葉では無い教育の本質がそこにあるような気がします。

時代と社会の流れに合わせて教育も進化・変化して行く・・・。校舎を去る時、スタッフルーム(教職員室)で和気あいあいと鉄板プレートで昼食の焼きそばを作る先生方の笑顔が印象的でした。

(補記)
同校には民間企業から寄贈された2台の3Dプリンターが設置されており、生徒は自由に好きなものをパソコンで設計し造形できるそうです。

2台とも毎日フル稼働。まるで子どもたちが自分自身の人生を真剣に考え、一生懸命形にしようとしているのだと感じたのは、果たして私だけでしょうか・・・。