藤本けいすけの「日日是好日」

仏作って魂入れず

先日の新聞記事で、政府が全国の小中学校や幼稚園に配った新型コロナウィルスの抗原検査キット(約125万回分、冷蔵庫保管)が、使用期限切れで大量に廃棄されているという問題が指摘されていました。「アベノマスク」と同じく、「血税」の無駄遣いがここでも露見した訳です。

税金をドブに捨てるようなことをせず、もっと必死にニーズを探り、コロナ禍で生活困窮している国民や事業者の支援に1円でも多く廻せ、と言いたい。(会計検査院でも検査すべき)

廃棄の原因は、検査の際に飛沫が飛ぶリスクや陽性反応が出た時の対応が難しい、或いは感染の可能性があればそもそも抗原検査ではなく医療機関の受診を選択する、などとされていますが、そんな状況は、調達に関わった政治家(主管大臣)や官僚たちがちょっと立ち止まり、事前に現場(学校)にサンプリングで聞き取りをすれば簡単に想像できたはずです。

コロナ対策に限らず、自治体議員になって痛感することは、国の施策は大半が「制度設計(法令整備)」と「予算(財政)措置」ですが、ややもすると「作っておしまい」、或いは「物を用意しておしまい」、あとは現場(自治体任せ)でうまくやれ的な「後工程無視」のケースが多いことですが、そのしわ寄せが結局は今回の事例のように基礎自治体を含む現場に押し付けられます。

まさに「仏作って魂入れず」です。国政を預かる大臣や官僚の皆さんにもう一度声を大にして言いたい。「霞が関を出てもっと現場を歩け、真剣に現場を知れ。それができなければ自治体に財源と権限を本気で移譲せよ! (画像はキットの例です)