藤本けいすけの「日日是好日」

自治体・公共WEEK 2024視察報告

6月26日(水)、昨年に引き続き自治体向け総合展示イベント「自治体・公共WEEK 2024」を視察してきましたのでご報告致します。

【イベント概要】

自治体・公共団体等向けの6つの専門展(地方創生 EXPO、自治体DX展、スマートシティ推進 EXPO、自治体向けサービス EXPO、地域防災 EXPO、インフラメンテナンス展)で構成された総合展示会。(期間中の想定来場者数=約2万人)

【注目した展示等】

■図書館の本来と将来
⇒公立図書館の蔵書調達に関し、地元書店からの優先的な購入を目指す出展。現状では、大手書籍流通事業者等を経由する調達ルートが主流となっているが、地元書店の経営支援を兼ねたルートの見直しに加え、福祉作業所による蔵書タグ貼り付けなどに取り組む自治体もあり。(本市での現状を調査したい)
■インクルーシブ遊具
⇒オーダーメイドの遊具開発などに取り組むブース。本市でも「湘南夢わくわく公園」にてインクルーシブ遊具を新規導入したが、利用実態の継続的な調査や、積極的な情報発信、利用者の声を収集した他公園への展開が必要。
■被災者マネジメントシステム
⇒公共施設予約管理システムをベースに、災害時の避難所開設や混雑状況等を公開・発信するシステムに拡張。発災時には行政職員の避難所駆けつけが遅れる可能性もあり、スマホによるリアルタイムな情報発信の仕組みについて要検討。
■給付金支給支援システム
⇒自治体による各種給付金の支給について、スマホ等による電子申請+コンビニATM受け取りを実現するシステム。人件費の削減と迅速な支給を目指し、本市でも推進すべき。
■AI音声&文字起こし支援システム
⇒AIを活用し、会議記録等の自動作成を実現。実際の議会質疑、答弁で記録作成するデモあり(言語の正しい認識率は90%程度)。庁内会議録だけでなく、議場内質疑やオンライン中継時の傍聴者向け字幕提供などにも応用可能。
■介護認定支援システム
⇒介護認定の現場では、紙媒体による調査記録が主流となっているが、面談情報をタブレットで記録・自動化。後方システムとの連携等の課題はあるものの、事後審査のための個人情報マスキング機能等も付加され、業務効率の向上に有益。
■生活道路健康診断支援システム
⇒自動車にセンサー(レンタル)を搭載し、車の揺れ具合や振動情報を自動的に検知・集積することで、道路の損壊や劣化状況を効率的に把握。議員としても市民相談の最多案件が道路補修関連であり、是非所管課にて参考にしつつ、対策を検討して欲しい。
■スマートロックシステム
⇒公共施設等の鍵の開閉を、センターコンソールと利用者のスマホを連動させて実現するシステム(合鍵不要)。学校体育館等の地域開放や利活用が進むなか、本市でも是非採用を検討して欲しい。 ※大和市等で類似の仕組みを一斉導入済み

【総合所感】
昨年に引き続き、DXをキーワードとした出展が多くを占めた一方で、能登半島地震でのきめ細かな現場ニーズを踏まえた防災・減災関連ブースや、子育て支援、ケアラー(介護・介助者)支援、子ども食堂などに関する新機軸の出展も目立ち、社会ニーズの変化をリアルに感じたイベントでした。
本市でも実施計画2025が進行中であるが、自治体としてのクリアすべき課題が日々発生、累積しており、その解決・改善に向けた中・長期的、全庁的視点に立った業務の見直しや設備投資等への貴重なヒントを得ることができました。