藤本けいすけの「日日是好日」

「子どもの日」に人口問題を考える

5月5日の子供の日に合わせ、総務省が子供の人口推計を発表しました。(掲載図表は総務省ホームページから引用)

この発表によりますと、15歳未満の子供の数は昨年より約19万人減って1,493万人と40年連続の減少で、全人口に占める割合も過去最低の11.9%になったということです。つまり、街なかでみかける人のうち子どもはわずか10人に1人程度といった感じになります。

一方65歳以上の高齢者の割合は28.9%ですので、だいたい3人に一人が高齢者といった計算です。(「高齢者」の定義は実は曖昧です)このことは、エリアによって異なるとは思いますが、私たちの生活実感とほぼ合っているのではないでしょうか。

総人口も減少トレンドとなり、「人口減少」や「少子高齢化」現象が昨今大きな社会問題としてクローズアップされ、自治体でもその対策に躍起になっていますが、肝心なことは、この減少を冷静かつ客観的に捉え、「人口減少」や「少子高齢化」に上手に向き合う策は何か、ということを国民全員が真剣に考えることだと思います。

戦後の経済成長とともに日本の人口は急増しましたが、経済成長に伴う人生観・家族観・価値観の変化や様々な社会問題の発生で、私たちは一定の時間をかけて現在の人口トレンドに直面したわけです。(残念ながら途中での軌道修正は叶いませんでした)

ここでこれから是非考えなくてはならないのは次の4点だと考えます。
①長寿化に伴う健康寿命の延伸(医療費等社会的コストの抑制)
②「高齢者」定義の見直しによる熟練労働人口の確保(AI等も活用)
③出産・育児を阻む社会的要因の除去(介護、育児ケア体制の拡充)
④経済成長至上主義の見直し(人口規模・構成に見合った暮らし方変革)
上記①~④はそれぞれが密接に繋がったテーマであり、一体的な打ち手が必要です。

コロナ禍でとかく悲観論が先行しがちな社会情勢ではありますが、私たちはこれからこの国のあり方をどう変えて行くべきか、いま絶好の判断チャンスを掴んだとも言えるのではないでしょうか。